台風の日に始めたブログ

訪問看護、在宅介護、ケアマネージャー、保険制度について自由奔放に記録します。

訪問入浴に向いている人って?100回以上働いた私の考え

訪問入浴の実際

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私は病棟勤務の傍ら看護師のバイトを休日に入れていました。

その時に一番多くやっていたのが「訪問入浴」です。

訪問入浴はとにかく看護師に人気がなく、いつでも求人の募集が出ている状態です。

正社員で働いている看護師は少なく派遣の看護師で回している会社も多いように感じました。

派遣の単発で訪問入浴の仕事をするときは日給で大体1万5千円〜1万8千円の求人が多いです。

 

また、夏場の訪問入浴は大変であるため給料アップの募集もよく目にしました。

私は体力勝負で部活のような訪問入浴が好きでした。また利用者さん達がとても喜んでくれるのでやりがいがあります。

週に1〜2回の待ち望んだ入浴なので私も喜んでもらえるように全力で訪問入浴のお仕事をやっていました。

 

どんな人が訪問入浴に向いているのか?

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100回以上は訪問入浴で働いた私が考えた訪問入浴に向いている人とは・・・

 

①車酔いをしない

②トイレが近くない

③手荒れに強い

④体力がある

⑤狭い空間が平気

⑥どんな所でも食事が可能

⑦コミュニケーション能力がある

⑧清潔不潔はあまり気にしない

 

ズバリ上記8つです。(独断です。)

 

①車酔いをしない 

1日車移動で利用者さんの自宅を5〜8件程度訪問します。大体回るコースはそれぞれの自宅が近い方で組んでありますが1回の移動で15分以上かかる場合も多いです。

 

②トイレが近くない

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1人の訪問が終了したらすぐに次のお宅を目指します。余裕があるときはトイレ休憩をしてくれますが中々こちらからトイレに寄ってくださいとは言いづらい雰囲気があります。急いでいるのが目に見える場合が多いので。

トイレは主にコンビニのトイレを借り利用します。私は生理の日は訪問入浴の仕事を入れる事を避けていました。またお腹を下している日は地獄です。

 

③手荒れに強い

1日5〜8件の入浴介助を行います。大抵手袋は使用せず素手で石鹸を泡立て利用者さんの体を洗ったりシャンプーの介助をするので手が荒れる人は多いようです。

ハンドクリームがナースバックに入っている会社もありました。

 

④体力がある

夏場は暑く、冬場は寒い。

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色々なお宅を訪問し入浴介助をする訳ですが、クーラーがないお宅もあれば冬場は隙間風が多く外のような室温のお宅もあります。特に夏場は汗だくでシャツもびっしょりです。

そして荷物が多いので力が必要です。ナースバック、浴槽、バケツ、バスタオルセットなどなど両手に多くの荷物を持った状態で車から降り、お宅を目指すので体育会系の部活のようです。

極め付けは、利用者さんを浴槽に入れるときはスタッフで抱えるのです。

3人のスタッフで行いますが息を合わせ腰に力を入れ、よいしょっ!!と浴槽へ入れます。腰部痛持ちは注意が必要です。

 

⑤狭い空間が平気

大体3人1組で訪問入浴を回ります。

入浴車は狭く、浴槽やタオルなどの物品で車内はぎゅうぎゅうです。

 

⑥どんな所でも食事ができる

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大体お昼休憩はコンビニの駐車場や道路脇に車を停め車内でお昼を取ることが多いです。余裕がある際は会社の事務所に戻り食べることもありましたが大抵車内でした。

 

⑦コミュニケーション能力がある

社員ではない限りは毎回一緒に回るヘルパーさんは変わります。そして一日中3人1組で訪問を回り車内の狭い空間を共に過ごします。車内はシーンとなるため会話をあれこれ考えていました。

ヘルパーさんも気を使って色々話しかけてくれます。そういうのが苦手な人は難しいかもしれません。

そしてお宅に伺い家族の方や利用者さんとお話しをしながら楽しく入浴をしてもらうにはコミュニケーション能力は必須でした!

 

⑧清潔不潔はあまり気にしない

これが訪問入浴の仕事に看護師が集まらない大きな理由の1つではないかと思ってます。

基本素手で利用者さんの髪の毛、体を洗います。(もちろんタオルは使用しますが)

病院内では感染対策で手袋、マスクは今や必須ですが訪問入浴の業界では感染対策への意識が進んでいないように思います。

あとは、利用者さんの自宅がものすごい状態の場合があります。

ゴミが散乱、足の踏み場もないなどものすごい状態の家は多いです。

 

 私は、車酔い、頻尿、年中手荒れ があったので連続勤務が難しかったです。

 

まとめ

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記事を書いていて中々過酷な仕事ですね。

ただ本当に利用者さんたちは訪問入浴を心待ちにしていて、やりがいと終わった後の充実感は大きいです。

そして在宅介護の現状を垣間見ることもできるため、看護師の方には是非1度チャレンジしてもらいたい仕事の一つなのです。

 

 

 

訪問入浴介護について

訪問入浴介護とは

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病気や障害があり自宅の浴そうに1人で入ることが難しい人や、医療機器や管があり不安がある方に対して看護師と介護職員が専用の浴槽を自宅で組み立て入浴のサポートを行うサービスです。

 

例えば、寝たきりで動けない方、足腰が弱り一人では歩けない方、在宅酸素を使用している方、人工呼吸器を使用している方などなど利用している理由は様々です。

 

訪問入浴介護を利用するには

 

①要介護と認定された人(要支援の方も利用できますが介護予防訪問入浴介護と名称が変わり目的が違うことと看護職員と介護職員2人で訪問可能です。実際は訪問入浴介護と同様3人のスタッフで訪問することがほとんどです。)

 

②医師の許可があること(医師が入浴をしても良いか判断し許可を出します。)

 

③ケアマネージャーが訪問入浴ができるようケアプランを立案し利用可能な訪問入浴の事業所を探してくれます。

 

訪問入浴の流れ どうやって入浴するの?

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①移動入浴車で看護職員1名と介護職員2名でご自宅に訪問します。

 

②介護職員が自宅内のスペースに持ち込んだ組立式の浴槽を組み立てお風呂の準備スタート。

(大体畳1〜2畳程度のスペースがあれば問題ありません。自室にはスペースがなく廊下に組み立て入浴している方もいました。)

 

 

③看護職員が血圧・体温・脈拍など全身の状態を確認し入浴ができる状態であるか判断。

入浴ができそうなら入浴の準備を行い、入浴が難しい状態であれば清拭(身体を温タオルで拭きます)や足浴・手浴など体に負担がないよう別の方法で体を清潔にします。

基本医師の入浴可否の基準の指示があり確認しながら行っています。

 

 

④入浴の準備を行い必要であればスタッフが利用者さんの身体を抱えて浴槽に入るお手伝いをします。

 

 

⑤浴槽の中で湯船に浸かりながら身体と髪の毛を洗います。最後は浴槽のお湯を流しながらシャワーで泡を流していきます。

 

 

⑥お風呂から出た後は着替えを手伝い再度、血圧・体温・脈拍・状態に変化がないか確認をします。

 

 

⑦希望があれば軟膏や体に保湿剤など塗布するお手伝いやドライヤーをかけます。

爪切りも必要時に行います。

 

 

⑧使用した機材は綺麗に洗浄・消毒し片付けます。

 

以上、大体1件あたり40分〜60分程度の時間で行うことが多いです。

 

訪問入浴の入浴回数

 

一般的には週1〜2回の方が多いです。介護認定の介護度によってケアマネージャーが本人や家族の意向を取り入れながら計画していきます。

 

まとめ

 

入浴は日常の生活習慣の中でも、食事、睡眠と同じように欠かすことのできないものの1つです。体を清潔にするだけではなくリフレッシュもできストレスや疲労も緩和できます。

しかし病気を持っていたり高齢の方にとっては入浴自体が少なからず負担になる行為でもあります。安心・安全に自宅で入浴を続けられるように適切に訪問入浴が利用できればと考えています。

 

 

 

 

 

 

プロフィール

看護師の経歴   

30代看護師です。

都内総合病院I 循環器病棟(外科・内科・CCU) 4年勤務

都内総合病院K  脳神経病棟 (外科・内科混合) 5年勤務

病棟勤務をしながら趣味で派遣のバイトを休日に入れていました。

訪問入浴・ディサービス・老人ホーム・グループホームショートステイ・小学校の保健室などなど。在宅での仕事に興味があったので主に訪問入浴のバイトをしていました。

元々、訪問看護をやりたかったので病棟選びは訪問看護についた時に役立つ診療科と考え上記を選びました。勝手な私のイメージで在宅では脳疾患や心疾患が多いのではないかと想像し過酷な病棟で働いてきました。(実際は違いました。ショック・・・)

 

 現在の看護師の仕事

都内の訪問看護ステーションに就職し3年目。オンコール(夜間の呼び出し、対応)がない職場で週5日働いています。高齢者の訪問が多いですが障害を持っている方や小児にも訪問しています。

 

訪問看護を始めた後に取った資格

訪問看護を始め、福祉住環境コーディネーター2級(2017年受験)とケアマネージャー(2017年度受験)の筆記試験を受け合格しました。ケアマネージャーは筆記試験合格後、実務研修があるため今後受講予定です。

 

ブログについて

訪問看護の実際、在宅介護について、訪問にまつわる制度の事、ケアマネージャーの事についてなど自由奔放に記録していきたいと思います。